第39回 静岡ホビーショー
(00/05/18・19)
(その2・タミヤ(ダンガンレーサー))


DANGAN RACER
さて、まずはタミヤブースです。今回からデザインを一新したデザインは、思いのほか見やすく、とても好感が持てました。業者向けにも、一般ユーザーが大勢入場したときにも対応できるブース設計だと思います。 正面からまず来場者を向かえるのが、やはりダンガンレーサー。ダンガンサーキットを複数組み合わせたロングコースを、休むひまなく無数のダンガンレーサーが疾走しています。三角のブースですが、かなり見やすかったです。
正面には製品版のダンガンサーキットが。ミニ四駆ではスターターで定着したたかとさんと、わたるおねえさん、そしてファイターがいれかわり説明員を勤めます。 とにかく目を引くのがこのコース。JCJCを見慣れているわれわれの目には、かなり特異なものに映ります。レーンの無いこのコースを、抜きつ抜かれつ激走するダンガンレーサーは、予想はしていたものの、やはりインパクトの強い光景です。たしかに子供から見れば、ミニ四駆よりスリルがあるように見えるでしょう。
ミニ四駆よりずっとシンプルになった構成部品。組み立ても簡単になりました。FA130モーター付です。前後でギヤが異なるプロペラシャフトに注目。 左がダンガンサーキットを真上から見たところ。ほぼホームオーバルサーキットと同寸です。色はアイボリーのみで、組み立ては簡単ですが、手間がかかります。展示してあるロングコースに使用されている半透明のパーツは業務用(タミヤ用)で、市販の予定はありません。こっちのほうがずっと見ていて面白いのに・・・
ファイターは、今回は本名の「○山」のネームの入った名札をつけて、普通の社員でした。ちょっと悲しいです(ミーハーですか?)。ファイターが社員服で声高らかにダンガンレーサーの説明をする光景は、なんとも見ていて複雑でした。販売店の人間がこんなこと言ってちゃいけないんですが・・・ ええっ?!ミニ四駆って、これだけっすかぁ!GUPも、ドレスアップ仕様のマシンも、レースの告知も何も無い・・・あんまりだああ!!


 まずは注目のダンガンレーサーです。販売店の立場ではっきり言います。「おもしろそう!」。まだ「おもしろい!」とはいえませんが、少なくとも「こりゃコケるな・・・」というセンは免れています。ただ、ミニ四駆のように、現実的な乗り物の形をしていないだけに、「作って飾って楽しむ」と言う遊びかたは難しいですね。視覚的なGUPが今のところ発表されていないのも悲しいです。また、サーキットが無ければ、どうしようもないのも問題ですね。まあ、ダンガンレーサーを購入した人が、みんながみんなサーキットを購入してくれれば、こんなにありがたい商売は無いんですが、現状ではこの商法は望み薄です。でも、観戦するレースとしては、かなりおもしろそうな素材ではないでしょうか。

 続いてサークルの会長の立場から言いますと、「こいつでレースしてみたい!」というのが正直な感想です。自分で走らせもしたいし、走らせている人の一喜一憂する姿を見るのも楽しそう。それくらい、ダンガンレーサーが走るすがたは面白いです。ただ、レースの運営を考えると、スタートの方法や走行台数、レギュレーション、コースレイアウトなど、今までのミニ四駆と同じでは通じない点が多いため、考慮が必要です。でも、ミニ四駆の大会との併催は、運営的に厳しいなあ・・・

 次に、ミニ四駆ファンとしての編集長の意見。見ていて思ったんですが、これはミニ四駆にとって代わるアイテムじゃないです。ダンガンレーサーはダンガンレーサー、ミニ四駆はミニ四駆、遊び方も楽しみ方もまったく違うものです。ミニ四駆は緻密な計算の元に、多くの中からチョイスされたパーツでマシンをチューンアップして、コースアウトせずにいかに速く走るか・・・という、いわば、レースとは個の楽しみを複数のレーサーと同時に味わうものという構図になるわけですが、ダンガンレーサーは、同一コース(レーン)上をイコールコンディションのマシンが走行する、勝敗の要因の大半を偶然が占めるレースです。どちらがいいとか、どちらがおもしろいというより、各々に魅力を持ったアイテムなのです。だから、自分にあった方を選べばいいと思うし、もちろん両方選んでもかまわないと思います。ここで、「ダンガンレーサーの方がおもしろい」とか、「ミニ四駆の方が正当な遊び」とか言うことを論じるのは、甚だナンセンスと言うことです。

 ここからは、私の個人的な意見です。
新製品を発表した以上、メーカーはそれを売るのに全力を尽くすのはあたりまえだし、販売店である以上、売上の大半を占める商品のメーカーの方針に協力するのは当然のことだと思います。
まず、これはメーカーさんに言いたいことですが、新しいものを導入するのに勇気が必要なのはメーカーだけではありません、販売店も同様です。ただ、古いものにすでに固定客がいる以上、メーカーの都合で古いものを断つことは、販売店にとって、それはそのまま顧客を失うことになります。従来の固定客を、新しいものに乗り換えさせればいいというのはメーカーのおごりです。趣味をやめてしまうか、乗り換えるかの選択は、販売店ではなく、ユーザーが行うものだからです。
「新しいものを導入する=古いものを断つ」
と言う公式が成り立つのは、メーカー内だけです。販売店にとっては、
「新しいものを導入する=古いもの+新しいもの」
なのです。
文化とは移り変わるものでなく、積み重なるものだと思います。
古いものの新製品を出しつづけろとは言いません。ただ、今までの文化の歴史に終止符を打つのはやめてください。「3年ひと昔」と言われる今日に、14年間もの間、子供だけでなく大人までもを魅了しつづけたひとつの文化を、自らの手で過去の歴史にして欲しくありません。「中止」を選択するのに大きな勇気が必要だったと思いますが、それ以上の大きな勇気をもって、もうひとつの選択肢を選択してください。たとえ少数であっても、あなたたちがひいたコースの上をいまだに走りつづける人たちがいる限り。
具体的には、「エアロミニ四駆・マイティーミニ四駆とGUPの継続生産」「過去のミニ四駆とGUPのスポット生産」を強く要望いたします。
また、自主的にレースを開催する団体に対し、ささやかでもご協力いただければ、こんなにうれしいことはありません。

 そして、これはユーザーの皆さんに言いたいことです。
「うだうだ言わずに、一度やってみ?やったことが無い人間に「おもしろくない」なんていう資格ないからな!」
そのあとでどちらを選ぶかはあなたの自由です。もちろん、両方選ぶのも大いに結構。ただし、人の選択にとやかく干渉しないこと。これもオトナなら当然のことですよね。

 最後に一発。
ミニ四駆を「それは昔の話・・・過去のことにはもう触れないで下さい・・・」という風にあつかうのはやめてくれぇえええ!!

以上、編集長の
「独断と偏見のダンガンレーサー本音レポート」でした。


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